ADHD治療薬”コンサータ”のまとめ[随時更新]
後で触れると言いながらも触れてなかったことに気づいたので慌てて追加するぬこです!
ストラテラを初めて聞くようでしたら、こちらからどうぞ。
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「ADHD」と「治療薬”ストラテラ”のまとめ」はこちらをどうぞ。
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こちらでは、コンサータのお話をします。
と言っても、私は処方されているわけではないので実体験をお伝えすることはできませんが、コンサータを処方されている知人からの話をベースにお伝えしたいと思います。
あくまでも、「個人体験談の1つ」として読んで頂けたらいいかと思います。
情報量が多くなるので目次をつけます。
①コンサータってなに??
コンサータは、日本が認可しているADHD治療薬の2種類のうちの1つです。
コンサータは、メチルフェニデート塩酸塩を主成分とする薬で脳の中枢神経に作用する「中枢神経刺激薬」の一種です。睡眠障害の「ナルコレプシー」患者さんにも処方されることがあります。
この薬は「速効性」と「持続性」をあわせ持つのが特徴です。中枢神経刺激作用があり、約12時間効果が持続しますので、朝1回だけ飲めば、学校や職場での昼間の服用が省けます。服用後、1時間くらいかけてゆっくりと溶けて効果が出る(徐放性)タイプです。
もう一方のストラテラ(効果は晩成型)と比べて、効果の早いお薬として知られており、神経伝達物質のドパミンやノルアドレナリンの活性化が、諸症状の改善につながると考えられていますので、ADHD をもつ大人の多くは、仕事に集中したり、生活にメリハリをつける能力を向上させることができます。
コンサータは、劇薬・向精神薬として分類されているので、処方や調剤ができるのは、一定の基準を満たす登録済みの医療機関や薬局に限られます。ドラッグストアやスーパー併設の薬局では処方できないところもありますので注意してくださいね。
②気になるコンサータの作用は?
ADHD患者の脳内において、ドパミン等の放出量が少なく、神経伝達のために放出されたドパミン等を再取り込み(ドパミン受容体に行かない)してしまうがために神経伝達が弱いと言われています。
一般的に、前の神経細胞から放出された*1ドーパミンやノルアドレナリンという神経伝達物質は、後ろの神経伝達物質受容体(上図では、下部分の受容体)に結びついて情報伝達します。
受容体に結びつかなかった(余った)神経伝達物質は、前の神経細胞から放出された細胞のトランスポーターとよばれる取り込み口から再び取り込まれます(→再取り込み)
しかし、ADHD患者の脳内では異なる動作が起きます。
元々、ドパミン等の神経伝達物質の放出量が少ない上に、トランスポーターが過剰に再取り込みを行うのでドパミンの不均衡が起こってしまいます。
メチルフェニデートは、ドパミンの再吸収阻害剤として働くので、ドパミンを神経細胞内に再取り込みするトランスポーターをブロックすることにより、ドパミンの量を増加させようという狙いです。
それにより、ドーパミンやノルアドレナリンの放出量を高めて、神経伝達物質がそれぞれの受容体に結びつきやすくするという作用が働きます。
結果、本来の力を取り戻して神経伝達物質による神経伝達がスムーズに行われ、ADHDの症状を改善することが可能です。
③気になるコンサータの副作用は?
コンサータは、効果の早いお薬であることや、ストラテラ同様に副作用が多いので慣れるまでは何らかの症状が出ると思われます。
【一般的な副作用】
- 口の渇き、食欲不振、吐き気、便秘
- 不眠、眠気、頭痛、注意集中困難、神経過敏
- 動悸、頻脈、不整脈、血圧変動
- 不安、興奮、幻覚、妄想
- 発汗、ふるえ、チック、尿がでにくい、性欲減退、かすみ目
- 体重減少、子供の体重増加抑制・成長遅延
- 長期連用で効き目が悪くなる
【重い副作用】 滅多にないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
- 悪性症候群(Syndrome malin)..動かず黙り込む、体の硬直、飲み込みにくい、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
- 狭心症..胸の痛み・違和感・圧迫感
- 脳卒中..片側の手足のまひ・しびれ、口がゆがむ、うまく話せない、めまい・ふらつき、ものが二重に見える、視野が欠ける、意識がうすれる、頭痛
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
症例272例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は209例(76.8%)あります。
その主なものは、食欲減退108例(39.7%)、動悸59例(21.7%)、体重減少54例(19.9%)、不眠症49例(18.0%)、悪心45例(16.5%)、口渇40例(14.7%)、頭痛29例(10.7%)と報告されています。
副作用ではないのですが、知人の体験談を1つ。
コンサータが切れた後の離脱感が凄まじいそうですΣ(´□`;)
具体的に申しますと、主に「憂鬱感」や「倦怠感」がズシッ!と乗っかるそうですね。
反動が大きいので、疲労感や倦怠感が半端ないという話を聞きます。
20時過ぎにツイッターのタイムラインを覗くと、コンサータ服用している発達当事者さんたちの離脱症状の叫びをよく目にしますよ Σ(´□`;)
コーヒーをよく飲む人も離脱症状を感じると言いますので、飲んだ日は物凄く疲れてる・疲れやすくなってることはありませんか?
離脱症状についてはこちらに詳しく書かれていますので、ご覧ください。
④「コンサータ」に期待できること
コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)は、即効性と持続性のあるお薬です。
- 1日1回、朝に服用する
- 服用してから1時間程度で効果あり
- 有効成分が少しずつ出てくる(徐放性)タイプの薬のため、日中約12時間効果が持続する
- セルフコントロールがしやすくようになる
- 効果が分かりやすい
投薬始めは少ない量(18mg)のため、服薬開始して1週間以内には効果が出てくると言われています。
効果が現れないようでしたら、医師と相談の元、調整されていきます。
※③でも記載したように、副作用が多いことや離脱症状等が挙げられていますので、くれぐれも自己判断で増量することは禁忌とされています。
⑤コンサータの処方代は?
*2ストラテラは40mg1錠で461円、コンサータは36mgで402円で比較的安いです。
しかし、薬1錠にしては高価であることに変わりありませんので、こちらも自立支援医療費(精神通院)の申請で1割負担にすることができます。
医師に自立支援医療費(精神通院)の申請準備の話をしておくとよいでしょう。
準備ができる(書類完成)までは3割負担で、病院の規模やお住まいの自治体の受付状況によっては、申請までに時間がかかりますのでご注意ください。